内容説明
本書は、これまで分断されてきたエリート教育と初等教育の問題を結び付けて近代フランスの教育を分析する。同時に、フランス革命後、とくにナポレオンによって基礎がつくられたフランス近代国家の歴史を捉え直す。また、当時の若者運動が教育に与えた影響など知られざるエピソードもちりばめて、「教育」から近代フランスを描き出す。
目次
教育史からフランス近代を考える
第1部 エリート教育と教養教育(第三共和政初期の大学改革;古典人文学の伝統;第三共和政初期の中等教育改革;女性と中等・高等教育―ラテン語の障壁を乗り越えて)
第2部 民衆教育の再創出(ジュール・フェリーの初等学校―フェリー神話を超えて;第三共和政初期の市民教育とライシテ―フェルディナン・ビュイッソンを中心に;フランス第三共和政初期の師範学校改革―「共和国の黒衣の軽騎兵」養成機関廃止論争をめぐって)
第3部 若者の自律と子どもの組織化(学生のソシアビリテ―管理の対象から学問共同体のメンバーへ;「青年期」の発見と規律改革―一九世紀後半のフランス中等教育改革の一側面;カトリック若者運動と社会事業)
スカウト運動とコロニー・ド・ヴァカンス―戦間期若者運動の一側面
著者等紹介
上垣豊[ウエガキユタカ]
1955年兵庫県生まれ。1985年京都大学大学院文学研究科西洋史学専攻博士課程退学。文学修士、京都大学。現在、龍谷大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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