内容説明
山名宗全(一四〇四~一四七三)室町期の守護大名。京都に館を構え室町幕府を左右する権勢を誇り、応仁の乱では西軍大将として活躍した山名宗全。本書では、その武勇ばかりが強調されてきた宗全の姿を見直し、都市京都という舞台とともに解明する。
目次
第1章 関東から山陰・京都へ(山名氏の成立;鎌倉の山名氏;山陰から京都へ;持豊と家族)
第2章 京都の大名山名時煕(山名時煕の政権参加;侍所別当の山名満時;足利義嗣の出奔と山名時煕;山名満時の死去と時煕の大病)
第3章 山名時煕の政治力(赤松満祐の叛逆;但馬の領国支配;幕政を動かす時煕;永享の山門騒動と山名軍;遣明船と山名時煕)
第4章 時煕から持豊へ(持豊の幕政登場;持豊の山鳴け権力掌握)
第5章 持豊の武的名声(将軍義教と諸大名;嘉吉の乱;持豊の播磨軍政;猛く勇める赤入道;武勇と風聞)
第6章 宗全の権勢(被官・内者;山名一族と家中成敗;領国と荘園・所領;山名氏と瀬戸内海上勢力)
第7章 幕府政治と権力闘争(宗全退治綸旨の風聞;山名宗全の但馬隠居と復活;河内獄山合戦と山名是豊)
第8章 雑踏の都市京都(都市京都の人口増加;洛中・洛外;京都の幕政と有力大名;山名一族と京都寺院;山名家の催し物;市中での勧進猿楽)
第9章 寛正の京都―飢饉・土一揆・幕府芸能(戦乱と京都情勢;寛正二年の大飢饉;寛正の土一揆;幕府晴事の猿楽興行)
第10章 宗全の権力主導(宗全と勝元、伊勢貞親を失脚させる;幕政を主導する宗全;宗全、幕府権力をつかむ)
第11章 応仁の争乱(将軍義政の畠山義就討伐命令;戦乱の長期化と足軽軍跳梁;西幕府と東国情勢;山名―細川の和議)
著者等紹介
山本隆志[ヤマモトタカシ]
1947年群馬県生まれ。東京教育大学文学研究科修士課程修了。博士(文学)。現在、筑波大学名誉教授。専攻は日本中世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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