内容説明
「厚生経済学」を創始し、後世の経済学に多大な影響を及ぼしながらも失業問題をめぐるケインズとの論争に「敗れた」経済学者として長らく評価されてこなかったアーサー・C・ピグー。常に現実社会と向き合い、経済学に何ができるかを真摯に問い続けた彼の「実践の経済学」とは―近年再評価の機運高まるピグーの全貌を厳選された邦訳論文と詳細な解説によって明らかにする。
目次
一経済学者の弁明
保護貿易と労働階級
住宅問題の諸側面
賃金率の阻害要因
戦争負担と将来世代
節約と浪費
インフレーション、デフレーション、リフレーション
ティルトン男爵ケインズ(一八八三~一九四六年)
書評 フリードリヒ・ハイエク著『隷属への道』
ドゥーゼンベリー教授の所得と貯蓄
双方独占下での均衡
生産者余剰と消費者余剰
貨幣の価値
著者等紹介
ピグー,アーサー・C.[ピグー,アーサーC.] [Pigou,Arthur Cecil]
1877‐1959。厚生経済学を確立したことで知られる20世紀前半イギリスの経済学者。ピグー税(外部性を解決するための税)などに名を残す。アルフレッド・マーシャルの弟子であり、ジョン・メイナード・ケインズの兄弟子。イギリス・ワイト島に退役軍人の父の下に生まれた。ケンブリッジ大学では、倫理学、政治哲学、経済学を修める。1908年マーシャルのあとを継ぎ、30歳にしてケンブリッジ大学唯一の経済学正教授に就任。1912年に『富と厚生』、1920年に『厚生経済学』初版を出版し、規範的命題を明示的にあつかう厚生経済学を打ち立てる
高見典和[タカミノリカズ]
1980年生まれ。2009年大阪大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。日本学術振興会特別研究員、デューク大学経済学史センター客員研究員、早稲田大学政治経済学術院助教を経て、一橋大学経済研究所専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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