内容説明
近年の歴史研究においては個人の語りに注目するアプローチが注目を集めている。そんななか本書は、史料に残されたナラティヴから歴史を問うことを通しておよそ1世紀前に生きた人々のシティズンシップを描き出すことをめざすものである。
目次
私語りから市民の物語りへ
第1部 アイデンティティを問う「自分」とシティズンシップ(境界に立つ市民としての矜恃と限界―ユダヤ人家族をもったアーリア人作家ヨッヘン・クレッパー;グラーグ帰還者の自分史―トロツキー派ユダヤ人の自伝的回想録を読む;ブレッド・アンド・ローズ―ローズ・キュナイダーマンの市民意識と個人の語り)
第2部 新しい社会をもとめる「自分」とシティズンシップ(闘う地域の変革者としての農村教師―二〇世紀前半のメキシコにおける教師の記録;労働組合とシティズンシップ―ドッカー組合指導者ベン・ティレットの経験と語り;カトリシズムとデモクラシーのはざまで―世紀転換期フランスにおける聖職者の市民意識と自分史;「農民」と「市民」のあいだ―ブルボネの農民、ジュール・ルージュロンと共同性)
著者等紹介
槇原茂[マキハラシゲル]
1955年島根県生まれ。1988年広島大学大学院文学研究科(西洋史学専攻)博士課程後期単位取得退学。現在、島根大学教育学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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