内容説明
米ソ中心の冷戦構造の崩壊後、覇権を制したアメリカの一極支配体制は9.11テロや金融危機によって大きく揺らぎ、中国など新興国が著しい台頭を見せる中で、世界は新たな多極化の時代へと向かいつつある。その一方、民族・宗教対立、環境保全と開発の相克、国家・地域間の経済格差など、国際社会の平和と安定の実現には数多くの困難が横たわっている。本書は、激しく変動する冷戦後の国際政治の展開を、最新情勢の分析を踏まえて考察・解明するとともに、日本外交の将来に対する視座を提供する。各章には詳細な年表・参考基本文献も掲載した、国際政治を読み解くための概説書。
目次
第1部 戦後国際政治の構造と変動(米ソ冷戦の発生・展開・終焉―「長い平和」とその後;軍備管理・軍縮・不拡散問題の展開;グローバルパワーとしてのアメリカと安全保障―「過去」と「未来」からの拘束;民族問題;南北問題―より公平公正な世界に向けて;環境保護と開発―持続可能な発展をめぐる国際政治経済)
第2部 地域におけるイッシュー(転換期の中国外交―パワー・シフト環境下の「平和発展」論;冷戦後の朝鮮半島をめぐる国際政治;東南アジアの地域秩序形成―冷戦後の展開とグローバル化の中の模索;冷戦後の中東和平―問題の新たな構図;欧州統合―EU統合の「深化と拡大」;現代ロシアの政治と外交―再び大国を目指すロシア;転換期のラテンアメリカ―国際関係と開発の新しい地平;苦悩と希望の大陸アフリカ)
第3部 日本外交のアイデンティティー(日本外交のアイデンティティーと心理―東西と大小の交錯;日米関係の思想史―「従属」と「自立」のアポリア)
著者等紹介
長谷川雄一[ハセガワユウイチ]
1948年生まれ。1973年上智大学法学部卒業。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程を経て、東北福祉大学総合福祉学部教授
金子芳樹[カネコヨシキ]
1957年生まれ。1981年慶応義塾大学法学部卒業。慶応義塾大学法学研究科博士課程を経て、獨協大学外国語学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Haruka Fukuhara
河漕燦