内容説明
小説ふうの小説からはずれた奇怪な、奇蹟の小説。1851年に出版されたハーマン・メルヴィルの代表作『白鯨』。同時代の読者から敬遠されながらも、いまもなお読み継がれる世界文学の金字塔。その作品の秘密に迫る。
目次
1 一九世紀の文学と思想のなかに置いた『白鯨』(パラドクシア・アメリカーナ;散乱する破片―誰が『白鯨』を傑作にしたのか;沈黙のバルキントン―『白鯨』と南部の幻)
2 二〇世紀の文学と思想のなかに置いた『白鯨』(一九二〇年代のメルヴィル・リヴァイヴァル再考;棄子の夢;たかが名前、されど―『白鯨』の不在の中心としてのピーコッド族)
3 『白鯨』を二一世紀の文学と思想のなかに置く(『白鯨』にアニミズムを見る―二一世紀に『白鯨』を読むこころみ;無窮とマニ教―メルヴィルの痕跡)
4 世界文学のなかに置いた『白鯨』(白鯨の迷宮のごとき模様;海と陸の間のレヴィアタン―『白鯨』をめぐるドイツ的事情について;「驚くべき精度にして生き写しの」理想の鯨を追求するメルヴィル)
著者等紹介
千石英世[センゴクヒデヨ]
現在、立教大学名誉教授、立教セカンドステージ大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆりあす62
25
読書録、図書館本。再。
たつや
3
有名な大作なので、一度は読んでみたいと思い図書館で予約しました。数日に分けて、他の本と併読しました。「宝島」のような冒険活劇だと思っていたら、最初に鯨についての文献が長々と記され、鎖国中の日本と交流を持つきっかけは捕鯨船になるだろう、等の記述もあり、船内での船員の生活ぶりや道具なども、細かく書かれているので、作者は資料的な目的でこの本を書いたのでしょうか?巨大イカや鮫に白鯨ここに海賊も出てくれば、それはもう活劇だったのに。男女が出てくれば恋愛要素も織り込めた。そう言う意味では資料本にこだわった、硬派な印象2016/03/07
悸村成一
0
12編+「はしがき」ほか。図書館本。 962018/07/16