内容説明
日本初の小学校制度を発足させた京都で、小学校建築はいかなる変容を遂げたのか。京都の小学校は、最初は擬洋風、明治半ばには近代和風、大正後期には鉄筋コンクリート造、昭和一〇年代は標準設計の復興校舎へと変容を遂げたが、いずれも日本の小学校建築をリードした。小学校の原点ともいえる京都の校舎を辿ることで、近代日本の小学校建築史を解明する初の通史。
目次
序章 京都の小学校が歩んだ近代(研究の目的;先行研究と研究の手法;本書の構成と要旨)
第1章 小学校という建築類型の誕生―明治前期(明治二年の小学校の誕生;明治五年以降の後者の成立;全国での様相 ほか)
第2章 小学校校舎の定型化―明治後期(校舎の成立過程;校舎の建築的特徴;建設主体 ほか)
第3章 鉄筋コンクリート造校舎の成立―大正・昭和一桁代(鉄筋コンクリート造の成立;建設内容の特徴;設計主体と意匠の変遷 ほか)
第4章 鉄筋コンクリート造校舎の標準化と復興校舎―昭和一〇年代(コンクリート造への改築;京都市営繕組織;建築の特徴 ほか)
第5章 小学校をつくった建築家像(京都市営繕組織の沿革と建築活動;主な建築技術者の経歴;川村秀介の回顧録 ほか)
附録 京都の番組小学校
著者等紹介
川島智生[カワシマトモオ]
1957年広島県生まれ。1998年京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科博士後期課程修了。神戸女学院大学講師、京都大学研修員を経て、京都華頂大学現代家政学部教授。専門は日本近代建築史。博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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