天才と異才の日本科学史―開国からノーベル賞まで、150年の軌跡

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  • サイズ B6判/ページ数 396,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784623066827
  • NDC分類 402.1
  • Cコード C0023

内容説明

幕末期の近代科学導入から、ノーベル賞受賞者一六人輩出に至るまでに発展した日本の科学は、どんな人たちによって築き上げられてきたのか?会津出身ながら湯川秀樹につながる日本の物理学をスタートさせた山川健次郎、国際レベルの加速器を作った仁科芳雄、戦時下で海洋生物学の研究に邁進した團勝磨・ジーン夫妻、筋肉収縮の機序を解明した江橋節郎…。戦争や国境を乗り越え、道を切り拓いてきた科学者たちの苦闘と歓喜の足跡から綴る、知られざる近現代日本科学史。

目次

第1部 日本科学の夜明け(国家戦略と理科学;医者でもなく科学者でもなく;白虎隊を生き延び物理学者に)
第2部 戦争と科学者(欧米から敬愛されたある日本人;戦争も国境も越えた人たち;野口英世を抱きしめて;二人でウニの卵見つめ)
第3部 負けて輝く(慶應義塾大学医学部;京都 青い季節;敗戦国のエース;夢の原子力;穎慧出づるところ)
第4部 医者対科学者(世界の筋肉研究をリードした江橋節郎;オワンクラゲはなぜ光るのか)
第5部 日本人とノーベル賞(天才だってつらい;日本人四人がノーベル賞を同時受賞;ノーベル賞の先へ―フクシマを越えて)

著者等紹介

後藤秀機[ゴトウヒデキ]
1943年生まれ。早稲田大学理工学部応用物理学科卒業。東京工業大学大学院原子核工学課程修了。コロンビア大学研究員、ロンドン大学研究員を経て、横浜市立大学医学部、岩手医科大学等に勤務。サイエンスライター。医学博士。専攻は神経生理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

トムトム

28
開国から現在まで。割と最近の話だからかしら。それを実際に見てきた人の話が多くて身近に感じられる一冊です。そっか。ゴールデンカムイに出てくる変人たちは天才で偉人だったのか!有坂中将。生前の科学者さんたちと直接話をしたことのある人たちが語る、生の声。伝説の人ではなく、生身の生きている人たち。歴史ってこういう事だよなと、頭が切り替わりました。埋もれてしまうにはもったいない、面白い本だと思います。2022/01/10

マカロニ マカロン

13
個人の感想です:A-。幕末明治維新期は西洋から取り入れた日本の近代科学の夜明けだった。電気、医学、物理学などその後の150年で急速に進化し、いま多数のノーベル賞受賞者を輩出するようになった。福沢諭吉の果たした役割の大きさを著者は高く評価している。高峰譲吉、高木兼寛、鈴木梅太郎、山川健次郎、長岡半太郎、仁科芳雄、八木秀次、湯川秀樹、朝永振一郎と徐々にノーベル賞に近付いていく。知らない科学者も多かったが、その業績だけでなく個人の人となりやエピソードもたっぷり書かれていて、人に焦点を当てた科学史で読みやすかった2023/08/25

佐藤一臣

13
日本の科学者の裏話が沢山あって面白い。海外の科学者から日本の科学者はかなり絶賛されていたことがあったのもわかってよかった。北里柴三郎の凄さ、森鴎外の酷さ、日露戦争時の科学技術の高さ、731部隊の酷さなど前半部分における核心は超絶面白い。もちろん、外国の科学者がいかにして真理に到達できたかの過程も簡潔だが過不足無く書かれていて凄かった。ただ、第四部と五部の後半部分はあんまり知的好奇心をそそられることがなかったなあ。天才達は発想が違うし、そのこと以外にはエネルギーを使わないようですな。2019/11/10

えも

13
明治以降の主要な科学者が綺羅星のごとく登場して、ワクワク感満載。しかも師匠から弟子へと伝統が引き継がれていく様子が協調され、偉大な科学者は指導者としても優れていることがよくわかる▼一方、日本の学会と科学行政に対する不満も著者の執筆動機の一つみたいで、科学者のエピソードの途中、ふいに「私が…」と著者の体験がでてきたり、学会や官僚の実態が批判的に記されたりと、科学史としては独特の構成がおもしろかったりする。2014/09/11

sasha

8
幕末からips細胞の山中伸弥教授まで。日本の科学者とその業績を幾多のエピソードを盛り込んで紹介している。最終章ではJCO臨界事故・福島第一原発事故について、著者の批判がてんこ盛り。同じ科学者として批判せずにはいられなかったのだろうな。これまで多くの優れた研究者を輩出して来た日本だが、今後はどうなんだろうな。国は基礎研究への金を出し惜しんでいるようだけれど。2019/05/22

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