内容説明
蒲生氏郷(一五五六~一五九五)織豊期の大名。近江日野の名門武家に生まれ、信長、秀吉に仕えて活躍、伊勢松坂一二万石、そして会津若松九二万石へと栄転した氏郷。天下統一戦のなか最新の軍制導入により、近世大名へと蒲生家を転換させようとした文武両道の武将像を描く。
目次
第1章 氏郷以前―湖国の名門領主(蒲生一族の登場;幕府奉公衆から守護重臣へ)
第2章 氏郷の時代―猛将の試練(近江日野城主となる;天下分け目の戦い;豊臣政権の先兵)
第3章 奥羽の太守―未完の改革(豊臣最強の軍隊;政権崩壊へ;流転の風雅人)
第4章 蒲生騒動―武者と治者の間(徳川大名蒲生氏;続発する家中紛争)
終章 「惣無事令」とは何だったのか
著者等紹介
藤田達生[フジタタツオ]
1958年愛媛県生まれ。1987年神戸大学大学院博士課程修了。学術博士。神戸大学大学院助手、三重大学教育学部助教授を経て、三重大学教育学部教授、三重大学歴史都市研究センター長。専攻は日本近世国家成立史の研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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兵衛介
4
記述が蒲生氏郷から離れてしまうことがままあり、蒲生氏郷専論としてはやや物足りなさはあるも、大掴みに知識を得られたのは良かった。氏郷の軍事的才幹の凄さは、軍法を整備し、太鼓などで各備え、組の進退自在に動かせるようにしたところで、この段階で初めて個人の武勇に頼る中世的軍隊から、大将の采配によってユニットを動かし戦術機動を行える近世的軍隊へと進化したと。2022/01/03
りら
2
石田三成家臣・蒲生備中について知りたくて、蒲生家の本を漁る。家臣のプロフィールが、ほんの数名分載っていたが、備中さん(蒲生頼郷)も其所に。 氏郷公については、初めて詳しい本を読んだけど、なかなか豪気な御方だなぁと。私は好きです(゚ー゚*) 伊達家から見た時の氏郷公は、冷静沈着慎重派なイメージだったけど、結構ぐいぐい行く人だった。家臣へのジョークが辛口(笑)。 後半は、織田→豊臣時代の軍制の変化が中心。氏郷公亡きあとの蒲生家の話は流し読み。 所々、言葉使いに「ん?」ってなったけど、まぁ気にはならない程度。2020/03/18
hr
1
関盛信と関一政を混同して書いているような箇所を見つけてしまった。2018/12/01
hr
1
与力の関一政、田丸具直の確認のために読む。関一政は陸奥白河城主に、田丸具直は陸奥三春城主になっており、その行動範囲を確認するだけで面白い。田丸は関ヶ原で西軍に与したとあった。2018/10/14
MNK2
1
蒲生氏郷についての著。日野6万石から会津92万石へと大封得た蒲生家の流れがよくわかる一冊。軍編成についてはより興味深い。氏郷死後無嗣断絶まで。2017/01/24