内容説明
グローバリゼーションが引き起こす人の国際移動は、伝統的なガバナンス原理を機能不全に追い込みつつある。はたして多文化化のなか社会は統合を達成・維持できるのか。本書は、グローバリゼーション時代におけるガバナンスのあり方を、国際移民をめぐる市民権という視角から理論的に考察すると同時に、英国と日本の事例によって実証的にも検討していく。
目次
国際移民時代における市民権の問題
第1部 理論的アプローチ(市民権の変遷と「国民国家に対する挑戦」;ポストナショナル市民権は可能か)
第2部 多文化市民権と社会秩序の親和性と相克性―英国の事例(英国の多文化化過程と市民権制度の変遷;英国「人種暴動」と市民権;多文化市民権のローカル・ガバナンス)
第3部 ナショナル市民権への固執とその変容―日本の事例(日本の移民政策と市民権制度の変遷;日本おける多文化ガバナンスの不在;国家主権の衰退か?―日本における難民政策の展開)
国際移民と市民権の新たなガバナンスを求めて
著者等紹介
樽本英樹[タルモトヒデキ]
名古屋生まれ。1999年東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。現在、北海道大学大学院文学研究科社会システム科学講座准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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