内容説明
黒田如水(官兵衛、孝高。一五四六~一六〇四)豊前の戦国大名。播磨の豪族の家臣に生まれながら、持ち前の知略により豊臣秀吉の天下統一戦を支え、豊前中津一二万石を与えられた如水。豊臣政権の成立、そして秀吉死後の政情をも左右した名軍師の実像を、確実な史料から明らかにする。
目次
第1章 黒田氏の系譜
第2章 如水の生いたち
第3章 織田につくか毛利につくか
第4章 秀吉の播磨入りと如水
第5章 秀吉の中国平定戦における如水の働き
第6章 秀吉の天下統一と如水の采配
第7章 豊前六郡の領国経営
第8章 秀吉の泥をかぶる如水
第9章 関ヶ原の戦いとその後の如水
著者等紹介
小和田哲男[オワダテツオ]
1944年静岡県生まれ。1972年早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了(文学博士)。静岡大学講師、助教授、教授を経て、静岡大学名誉教授(日本中世史専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中島直人
9
地元の英雄、黒田官兵衛を巡る伝説を検証するという印象。面白く読めた。黒田官兵衛が天下取りを狙っていたという説。改めてそれは無いと感じた。関ヶ原の合戦まで、軍監や折衝が主な役割であり、大将としては数千クラスの戦いしか行なっていない武将が天下を取れると考えるほど、愚かでは無かったのではないか。ただ、さすがに12万石はあんまりだと、最後に一踏ん張りしたというのが実情ではないか。2016/11/09
MNK2
1
大河ドラマ「軍師官兵衛」の時代考証された小和田先生の一冊。 このシリーズは安定の内容で読みやすくわかりやすい。しかしつくづく「軍師官兵衛」は残念だったと思う。2017/01/11
takashi1982
0
著者は日本中世史が専門の静岡大学名誉教授、小和田先生。2014年の大河ドラマ『軍師官兵衛』の時代考証もしているということで、このシリーズの著者としてはかなり適任のような気がする。黒田家の由来から始まり、その晩年までを史料や先行研究を引用しながら展開している。(後世に編纂された)『黒田家譜』を引用しながらも、同時代の手紙や日記などを参考に客観的に検証しているため、小説のような読み応えを期待すると肩すかしを食らう。しかし、歴史学的な伝記とはそういうモノで、まさに歴史好きのための一冊だと思う。2015/09/01
higurasias
0
如水に関しては幾つか疑問があった。ひとつは宇都宮氏の誅殺。残酷なことはあまりしなかった如水が何故と思っていたんだけど、なんとなく謎が解けたような感じ。秀吉の九州入りの際に地侍たちに乱発した本領安堵と、九州平定後の宇都宮氏への秀吉からの伊予への転封命令。あと、検地も理由にあるんだろう。中世気分のままでいた地侍たちの反撃、一揆。対宇都宮氏では長政が戦で負けてるし、卑劣な手段を使ってでも抑えこまなければ、これまでの不満もあり豊前が猿股に爆竹放り込まれたみたいになることは必至。鎮圧に失敗したら肥後の佐々みたいに最2012/06/19
シロマック
0
感激の歴史小説。大まかのストーリーは知っていた通りだったが改めてそのすごさが伝わった。戦国時代の名軍師2人ががどちらも豊臣秀吉の配下であったのは秀吉がいかに人の使い方が上手かったかを物語っている。本当に優秀な人の多くは自分を評価して上手く使ってくれる上司を望んでいる。2022/12/22