内容説明
山積する課題解決のための検証と、大災害からの復興への視座を提示。最先端の研究と現地調査を踏まえた分析。
目次
巨大複合災害としての東日本大震災
第1部 地震・津波・原発事故のメカニズム(地震のメカニズムと特性―緊急地震速報と新幹線早期警報システム;津波のメカニズムと特性;福島第一原発事故とその影響)
第2部 復旧・復興の課題と政策(ライフラインの被害と復旧の課題―交通システムを中心に;日本経済への影響と地域経済復興;住宅再建と地域復興;被災者の心理的影響とストレスケア;広域災害時の被災者に対する健康支援活動)
第3部 大震災と行政・企業・市民の対応(東日本大震災と消防;東日本大震災と企業の危機管理;災害ボランティアをめぐる課題;震災原発事故に伴う市民・消費者・外国人の対応行動)
震災と安全の思想
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
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「PTSDの予防においても、安全で安心できる環境の確保というのは、最も重要であるといわれている。強いストレスをかかえたまま我慢を続けて、それが悪化し、ストレス障害が表面化してから、専門家の援助を受けるというのはやはり望ましくない」(162ページ)。評者は、特定の企業により、人権と健康を侵害されたから、黙っているわけにはいかない。被災市民もPTSDで苦悶している。多くの専門家が、復興に向けての学術的基礎の上に、新たなまちづくりを志向していく必要があるとわかる。あとは、セシウムの海洋汚染で条約違反を知りたい。2012/09/08