内容説明
俾弥呼(三世紀)邪馬壹国の女王。「魏志倭人伝」などの中国の史書に記され、「親魏倭王」と呼ばれた邪馬壹国の女王・俾弥呼は、いかなる人物だったのか。本書では、関係史料を徹底的に読み込むことで、その実像を描き尽す。
目次
俾弥呼の実像とは
第1部 倭人伝に描かれた古代(研究史の回顧;邪馬台国より邪馬壹国へ;女王国への道;邪馬壹国の真相;倭人伝の「官職」;裸国・黒歯国への道;「三国志序文」の発見)
第2部 新たなる古代日本(邪馬壹国研究の新たな世界;女王の知られざる生涯;倭人伝の空白;「万世一系」論の真相;学問の方法)
著者等紹介
古田武彦[フルタタケヒコ]
1926年福島県生まれ。旧制広島高校を経て、東北大学法文学部日本思想史科において村岡典嗣に学ぶ。長野県立松本深志高校教諭、神戸森高校講師、神戸市立湊川高校、京都市立洛陽高校教諭を経て、1980年龍谷大学講師。1984~96年昭和薬科大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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魚京童!
16
なんだろうね。卑弥呼ってなんでこんなに知りたくなるんだろうね。ロマンがあるんだろうね。答えがないからかもしれないよね。生きることは大変だけど、どうにか逃げるところを作っている。こんな社会があった。こんなことができたらいいな。世界はもっと面白くなる。逃げ道が必要だ。ずっと逃げて、逃げて、逃げていれば、逃げきれるかもしれないし、いつか戦う必要があるかもしれない。勢力を伸ばして、社会を超えて、私はどこへいこうというのだろうね。2023/07/09
aki
2
『壬申大乱』後、久しぶりの単行本。すなおにうれしい。『「邪馬台国」はなかった』以降、著者の孤軍奮闘に涙を禁じ得ない。古代史学者は相変わらず、「三国志にある邪馬台国」というウソを主張しているが、どの写本にもない「邪馬台国」は、もうやめようよ(写本は、すべて「邪馬壹国」)。魏志倭人伝では魏の天子を「魏台」と呼んでいる。天子を意味する「台」を夷蛮の国名に使うはずがない。史料事実から出発するのではなくて、イデオロギー(邪馬壹国を大和朝廷にあてたいという)から出発するから、古代史がめちゃくちゃになっている。2012/06/18
あまたあるほし
2
古田史観炸裂。好き嫌いのある文章だが、味わいがあるっちゃある。この論争には門外漢なので、よくわからない部分もあるが古田氏の立ち位置はよくわかった。しかし、『東日流三郡誌』って偽書では……2012/05/01
cosgy
1
著者の集大成ともいうべき作品。第一書「邪馬台国はなかった」の発表以降も次々に新たな分析で肉付けがなされていて著者の思想は揺るぎないものになった感あり。専門家による真摯な反論を期待したい。2014/07/30
tetsu
1
ヒミカが正しい読み方です。2012/06/09