内容説明
17世紀から現代までの経済学の歴史をたどる、初学者に最適の経済学史テキスト。オーソドックスな通史の形式で、スミス以前の経済学の黎明期から、欧米各国における経済学の発展を詳解する。さらに、日本の経済学の展開を日本の社会経済と関連づけて取り上げるなど、各時代における発展の多様性に注目する構成により、興味深く経済学の歴史が学べる一冊。
目次
経済学史と現代
スミス以前の経済学:経済学の黎明
イギリス古典派経済学
古典派経済学とフランス
リストとドイツ歴史学派
マルクス経済学
限界革命と新古典派経済学の形成
ケンブリッジ学派の展開とケインズ革命
アメリカと制度経済学
新古典派経済学の成熟と新古典派経済学批判
現在経済学の展開
日本の経済思想の相克と展開― 文明開化からバブル崩壊以降高度成長の終焉まで
経済学史の捉え方と現代への指針
著者等紹介
喜多見洋[キタミヒロシ]
1953年生まれ。早稲田大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、大阪産業大学経済学部教授。専門分野は経済学史、社会思想史
水田健[ミズタケン]
1951年生まれ。法政大学大学院社会科学研究科博士後期課程修了。現在、東日本国際大学経済情報学部教授。専門分野は経済学史、経済理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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本命@ふまにたす
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経済学史の教科書。近現代の西洋を中心とした経済学の流れを概説する。新古典派以前に紙幅をさき、日本の経済学史についても触れているのが特徴か。2021/12/31
壱萬参仟縁
0
グルネとかフォルボネなんていう人は初めて知った(8ページ~)。イタリア南部のエコノミーア・チヴィーレ(市民経済学)は現代の経済学にも必要なものであると思う(21ページ)。G.シュモラーの村落経済⇒都市経済⇒領邦経済⇒国民経済という発展段階論は、評者の考えと似ている(106ページ)。村落経済の基本は家計であることから出発し、国民経済の次がグローバル経済と考えてもいいだろうか。現代の進化経済学の基本がマーシャルにあるということも直感できる(194ページ)。制度経済学創始のヴェブレンの存在も今日的に大きい。2012/10/19