内容説明
昭憲皇太后(一八四九~一九一四、在位一八六八~一九一二)明治天皇の皇后。貞明皇后(一八八四~一九五一、在位一九一二~二六)大正天皇の皇后。近代日本を皇后の立場から支えた二人。「国母」という精神的負担に耐えながらも気丈に振る舞い、夫である天皇と共に歩んだ人生はいかなるものだったのか。本書では、近代の皇后像を形作った二人の素顔を明らかにする。
目次
第1部 昭憲皇太后―孤高の女神(鑑の空白;五摂家の娘;皇后美子;新時代の皇后;和魂と洋才と)
第2部 貞明皇后―祈りの女帝(皇太子妃としての決意;東京生まれの皇后;近代最初の皇太子妃;大正の諸相;若き皇太子の後見として ほか)
著者等紹介
小田部雄次[オタベユウジ]
1952年東京都生まれ。1985年立教大学大学院文学研究科博士課程単位取得。現在静岡福祉大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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犬養三千代
4
近代日本の皇室の礎を築いた二人の皇后。 明治天皇とは一歩ひいた生き方だけと同志という感じがする昭憲皇太后。内廷改革、女子教育、殖産興業、社会事業など遺したものは大きい。貞明皇后は大正天皇とはうまく行ってなかった。「別段優れたる御長所なきも、又何等の御欠点もなき之なきに付然るべきか」と言われ美しい鍋島伊都子の方をむいていた夫。大正天皇無き後は政治家達と渡り合い、昭和天皇とも渡り合った気丈夫。心通わせるということ。たとえ政略結婚でもそれを成し遂げた昭憲皇太后、香淳皇后は素晴らしい。2018/03/30
まやま
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昭憲皇太后のことを知りたいと読み始めたが、貞明皇后の話の方が印象的だったなぁ。母にとって皇太子とは国全体の子であり自分一人の子ではない、という意識からか、弟宮たちのほうに親しんだ、というくだりは、信長や、政宗の母との関係にも似て、さもありなんと思ったね。2015/02/20
そーだ
0
皇后としての人生は超人的なものであるという筆者の見解に感心した。明治天皇や大正天皇についても知ることのできる良い本だと思う。2012/11/18