内容説明
京都が日本一の観光都市であることはいうまでもない。そこを訪れる人は、オーソドクスな日本の伝統を実感するとともに、伝統文化と奇妙に同居する豊かなカウンターカルチャーにも酔いしれることができる。この多面性を、京都はなぜ保持することができるのか。長年にわたって築かれてきた「京都ブランド」を多角的に解剖するとともに、都市観光論の新機軸を提示する。
目次
京都と観光文化
第1部 歴史と伝統―“憧れ”の創造
第2部 くらしと文化―そこに住まう人々
第3部 京都観光の今―文化創造都市の経営戦略
第4部 外からのまなざし―憧憬と畏怖
真の文化首都=京都
著者等紹介
井口貢[イグチミツグ]
1956年生まれ。現在、同志社大学政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
池上惇[イケガミジュン]
1933年生まれ。現在、京都大学名誉教授、福井県立大学名誉教授、京都橘大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
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☆☆☆すばらしい・・・京都の多様性を様々な論者が、京都の内部、外部、小京都などの視座から、厚みのある議論をそれぞれが展開しており、交響曲のような逸品と言えよう。評者が注目したいのは、5章の滋野先生の伝統産業、13章の西尾先生の舞妓さんの文化経営、19章の井口先生のらしさ観光、終章の池上先生の文化首都という切り口。マーシャルが強調したように地域産業の再生を理論的に展開することの重要性を説くのは説得力がある。通訳案内士のコンテンツである舞妓さんはかけがえのない文化資源。京都らしさを活かした経済再生の理想の姿。2012/09/17