内容説明
各国の環境問題と環境政策を比較検証、ガバナンスの実態と今後を探る。
目次
第1部 経済発展と比較環境ガバナンス(比較環境ガバナンス―その概念および分析の視座;ガバナンスを改善すると環境もよくなるのか)
第2部 東アジアにおける環境ガバナンスへの取組み(中国における地方保護主義と環境ガバナンス;中国における流域ガバナンス―太湖流域を事例に;台湾における公害問題への対応と環境ガバナンス;韓国の生活環境林をめぐる環境ガバナンス;淀川水系流域委員会に見るガバナンス・モデル構築の試み;琵琶湖における環境と地域の持続可能性―早崎内湖再生への取組み)
第3部 欧米における環境ガバナンスへの取組み(アメリカの流域プログラム策定プロセスに見るガバナンス;ドイツにおける環境ガバナンスと統合的環境政策;ドイツにおける環境ガバナンスの構築―フライブルク市の環境政策を中心に)
著者等紹介
長峯純一[ナガミネジュンイチ]
1958年生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学。現在、関西学院大学総合政策学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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taming_sfc
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長峯純一先生による2011年の編著。環境クズネッツカーブ仮説の要因を、これまでの一人あたりGDPではなく、環境ガバナンスであるという仮説を立てるという、きわめて大胆な想定から出発する。しかしその後に続く各章では、環境ガバナンスのあり方が、環境パフォーマンスにつながる点が、ケーススタディを通じて論証されており、仮説は一定程度(定性的・定量的に)認められるという流れになっている。今後の研究の蓄積は必要であるが、本書が環境ガバナンスと環境パフォーマンスに関する研究の潮流に大きなくさびを打ち込んだことは確かだ。2013/06/10