内容説明
今日、雇用、福祉、教育、医療、住宅、情報、政治参加、家族、エスニシティなどさまざまな領域で進行している「社会的排除」は、社会の解体を招きかねないほど先鋭化の様相を呈しつつある。「排除」の克服の方途を探り、新しい社会モデルを再構築することは、先進国の政治にとって最重要の課題となっている。本書は、日米欧先進社会における多次元的な「社会的排除」の展開を歴史的・構造的に把握し、あるべき「社会的包摂」の道を検討した共同研究の成果である。
目次
包摂と排除の比較政治学―問題の所在
第1部 包摂と排除の理論(格差・貧困・社会的排除の比較政治経済学―雇用と福祉から見たEUと日本;包摂と排除の国際比較―外国人労働者、移民、ムスリム問題)
第2部 欧米諸国にみる政治的課題(二重の統合と排除―トルコに対するドイツの対応;揺らぐ「平等と連帯」の社会―フランス政治の変容と社会モデルの危機;フレクシキュリティと社会的包摂―オーストリアの実験;イギリス中等教育政策における社会的排除との闘い―ブレア政権における「アカデミー」の評価を中心に;住居をめぐる闘争―フランスにおけるホームレス問題;下層中間層の没落と再建―アメリカ医療保障の政治経済学)
著者等紹介
高橋進[タカハシススム]
1949年福井県生まれ。大阪市立大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得満期退学。現在、龍谷大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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