内容説明
加速する環境破壊、拡大する貧富の格差、終わりの見えない紛争、食糧不足や資源の枯渇、感染症の蔓延…。「有史以来の危機」に瀕し、地球が抱える問題群は深刻さを増している。いかにしてこれらの問題を解決し、環境と調和した公正で平和な社会(=持続可能なグローバル福祉社会)を創造できるか。本書は、現代世界における地球規模問題を解決するために、「グローバル・タックス」という処方箋を示し、新たなグローバル・ガヴァナンスの姿を検討する。
目次
持続可能なグローバル福祉社会をめざして
第1部 グローバル社会の課題とガヴァナンスの実際(脅かされる未来;グローバル・ガヴァナンスをめぐる分析枠組;グローバル市場の拡大と問題点;グローバル・ガヴァナンスの動向―グローバル政府の不在の中で;対抗するグローバル市民社会―世界社会フォーラムを中心に)
第2部 グローバル・タックスが切り開くグローバル・ガヴァナンス(グローバル・タックスとは何か;グローバル・タックスの導入へ向けて;グローバル・タックスの課題と意義;「ソフト・ガヴァナンス」の可能性―通貨取引税を求める市民社会アクターとネットワーク;「ミドル・ガヴァナンス」の展開―航空券連帯税とUNITADを事例に;「ハード・ガヴァナンス」の諸構想―世界租税機関からグローバル議会へ?)
グローバル・タックスの可能性―ガヴァナンス研究の展望
著者等紹介
上村雄彦[ウエムラタケヒコ]
1965年生まれ。1992年大阪大学大学院法学研究科国際行動論専攻博士前期課程修了。1993年カールトン大学大学院国際関係研究科開発研究専攻修士課程修了。2009年博士(学術、千葉大学)。現在、横浜市立大学国際総合科学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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