内容説明
英国のレイ裁判記録やパークス報告など第一級資料を掘り起こし、日本側資料と突合せて精査し、明治初期の「近代化への模索と苦闘」を丹念に跡付けている。大隈や伊藤など多様な人物が登場し、舞台が複雑に絡み合って筋書きは幾度も変転していった。まさに壮大な歴史劇が展開されていた。本書では往時の日英の資料に基づき、斬新な視座から解釈を試みており、日本の鉄道草創期の研究の再構成を促すだけではなく、維新史の新たな側面も提起している。
目次
第1章 ポートマン免許への対応と来日前のレイの行動
第2章 レイ契約の成立過程―鉄道導入と借款
第3章 英国でのレイの行動―資金調達と利権配分をめぐって
第4章 レイへの疑念から契約破棄までの日本政府の行動
第5章 解約への道程―レイとの関係を清算
第6章 関係者の関与―パークスとロバートソンを中心に
第7章 自立化をめぐる模索と確立の過程―公債継承からオリエンタル銀行倒産まで
第8章 総括と展望―レイ、オリエンタル銀行、上野景範の功績をめぐって
著者等紹介
林田治男[ハヤシダハルオ]
1949年長崎県生まれ。1973年山口大学経済学部卒業。1980年山口大学大学院経済学研究科修士課程修了。1983年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。1986年大阪産業大学経済学部講師。助教授を経て96年教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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