内容説明
犬養毅(一八五五~一九三二)政治家。国会開設以来連続当選一九回、五〇年以上にわたり国会で活躍し、「憲政の神様」といわれた犬養毅。首相となり近隣諸国との友好を図り、軍部の抵抗を排して議会制民主主義を死守した政党政治家。気骨ある明治人の生涯を活写する。
目次
第1章 若き日々
第2章 東海経済新報時代
第3章 議会壇上の獅子吼
第4章 帝国の危機と産業立国
第5章 逓信大臣時代
第6章 心ならぬ間奏曲
第7章 犬養内閣の成立
第8章 五・一五事件の顛末
著者等紹介
小林惟司[コバヤシタダシ]
1930年横浜市生まれ。1953年慶應義塾大学経済学部卒業。千葉商科大学教授などを経て、現在、日本文藝家協会会員、商学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鯖
20
いだてんでの塩見さんの犬養毅が凄まじすぎて手に取る。西南戦争における従軍記者からはじまるジャーナリストとして新聞を主宰し、経済学者として保護貿易論を展開し、関東大震災の際には通帳や印鑑が焼失していても預金全額を保証した等エピがてんこもりで面白かった。筆者が犬養強火担なことは分かる文章であった。ただ海軍軍縮条約に際し統帥権干犯問題で浜口雄幸をフルボッコにしたことについて、この本一切触れてないんですけども…。政友会総裁に就任して、それが来るかなと思ったら突然囲碁風貌書道の話になっちゃったのなんでなんだぜ…。2019/08/11
叛逆のくりぃむ
4
エコノミストとしての活動が、政治哲学にも反映されてる点が興味深い。2016/10/21
チンズ
0
「宮崎滔天伝」からの「三十三年の夢」からの「犬養毅」に行き着きました。三十三年の夢の中で木翁という人物が度々出てき後で木翁(木堂)=犬養毅とわかりました。学校では近現代史はほとんどやらないから「犬養毅」と「五・五一事件」を線で結ぶだけの知識しかなかった。大正デモクラシーと言われる自由な時代からこの事件をきっかけにマスメディアの言論の自由が次第に失われて日本は戦争に転落していくわけですが、、ちょっと待てよ今の日本も原発事故以降報道の自由度ランキングは下がり続けてる、、この本を読みながらちょっと怖くなった。2016/03/12
鈴木貴博
0
先般犬養木堂記念館などに行ったのを機に積んであったのを出してきて読む。犬養が人格識見高く、議会政治、政党政治に貢献した偉大な人物だというのは分かったが、いくらなんでも贔屓の引き倒しでは?という感が強い。統帥権干犯問題で鳩山一郎らと一緒に政府を攻撃した話もほぼ触れていない。犬養にしてこの行動、を読みたい所ではあったのだが。また、政治家等としての公的生活以外の記載も伝記としての人物理解のためにはある程度必要ではないかと。2023/09/02