内容説明
本書では、どのようにすれば、強欲と無責任の代償としての経済の混迷、政治の貧困から人々が解放され、かつ希望ある社会を創造し、経営できるのか、を問う。すでに市民の立場から、人間らしい暮らしのための公共性をデザインし、市民的な事業を成立させ、責任をもって社会を創造していこうと挑戦する人々がいる。執筆陣はそうした志をもつ人たちとその実践に共感する研究者である。また、この共同研究は、社会や公共性さらには信頼や協同の価値を忘れて近代の教義(競争、能率、合理性、利益など)に固執する経営学に終わりを宣言するものでもある。
目次
現代社会とNPO・社会的企業
第1部 NPOと社会的企業をめぐる課題(NPO・社会的企業と経営学―「利益」と「ミッション」から考える新たな経営学;貧困とNPO・社会的企業―現代の貧困と市民が担う「新しい公共」;社会的企業での働き方―ワーカーズ・コレクティブの「新しい働き方」をふまえて;韓国の社会的企業と市民運動―社会を変革する市民の力;自立と協働の文化とNPO・社会的企業―「下請け化」批判を超えて;中南米の連帯経済―もう1つの経済が生まれている)
第2部 NPOと社会的企業と市民の挑戦(若者とNPO・社会的企業―「ベンチャー×社会貢献」で新しい仕事を創る若者たち;市民金融とNPO・社会的企業―金融を「見える化」するNPOバンクの取り組み;農村とNPO・社会的企業;災害とボランティア活動―ボランティアが社会を変える;ジェンダーからみた社会的企業と女性の自立―生協労働を中心に)
NPO・社会的企業とソーシャル・チェンジ
著者等紹介
馬頭忠治[バトウタダハル]
1952年生まれ。立命館大学大学院経営学研究科博士課程単位取得退学。現在、鹿児島国際大学教授
藤原隆信[フジワラタカノブ]
1971年生まれ。立命館大学大学院経営学研究科博士課程単位取得退学。現在、京都経済短期大学経営情報学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。