内容説明
カール・シュミットはなぜナチズムに関わったのか。ナチズムのもとでどのような行動をしていたのか。シュミットを現在考えることにいかなる意味があるのか。本書では、ワイマル末期から第三帝国期を経て、第二次世界大戦にいたるまでの、シュミットの政治思想の展開を、とりわけナチズムとの関係を中心として考察する。すなわち、大統領内閣の「桂冠法学者」からヒトラー内閣の「桂冠法学者」への転向、反ユダヤ主義との関係、第三帝国期における政治的位置、戦後における評価などの論点について、これまでの研究への問題提起を行う。
目次
第1章 ワイマル末期における政治構想
第2章 近代批判と「ポスト・モダン」
第3章 シュミット像の変化―左翼知識人から見たシュミット
第4章 「二重国家」の中で
第5章 ナチズムへの水脈
第6章 第三帝国期における政治的位置づけ
第7章 シュミットとラディカル・デモクラシー論
終章 カール・シュミット思想の現代的意義
付録
著者等紹介
中道寿一[ナカミチヒサカズ]
1947年大分県生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。現在、北九州市立大学法学部教授。法学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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