内容説明
第二次世界大戦後の1950年代と60年代は、イギリス帝国がこれまで支配してきたアジア・アフリカを脱植民地化し、自らも融解の経路を辿りつつ終焉の歴史にむけて歩む時代であった。本書では、戦後の国際政治の変動のなかで、非公式帝国の弱体化とコモンウェルス諸国の結束の揺らぎのために限界を露呈したイギリスの対外政策、50年代と60年代におけるイギリス経済の衰退論、中東とアジア・太平洋のイギリス植民地でみられた脱植民地化に対するイギリス本国、アメリカおよび日本の対応、さらにはジェンダーと風景の脱植民地化などの諸問題が扱われている。
目次
脱植民地化とイギリス帝国
第1部 イギリス本国(脱植民地化とイギリス対外政策―公式帝国・非公式帝国・コモンウェルス;イギリス経済史の黄金時代と脱植民地化;アメリカ「帝国」の形成と脱植民地化過程への対応)
第2部 帝国内諸地域(アメリカから見た「イギリスとスエズ戦争」;アジア太平洋における脱植民地化―南アジアとの比較を視野に;英領アフリカの脱植民地化とフェビアン植民地局―黒人経済学者アーサー・ルイスの役割をめぐって;バンドン会議と日英関係―イギリスの対アジア、対国連政策の変容を軸に)
第3部 帝国の諸相(モーリシャスの脱植民地化とインド系移民;女たちの脱植民地化―フンミラヨ・ランサム‐クティの場合;イマジネーションの脱植民地化と文化)
著者等紹介
北川勝彦[キタガワカツヒコ]
1947年大阪府生まれ。1975年関西大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)。現在、関西大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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