内容説明
第二次世界大戦に辛うじて勝利したイギリスは、グローバルな利害を持つ「世界大国」の地位をいかにして維持しようとし、その過程で仏独伊ベネルクス6カ国によるヨーロッパ統合運動といかなる関係を構築したのか。戦後イギリス外交の基本方針である、コモンウェルス、アメリカ、ヨーロッパからなる「3つの環」という発想の誕生と変容の過程を、政府公文書を読み込むことにより解明する。
目次
「世界大国」としてのイギリスとその戦後外交の課題
第1部 イギリスの戦後対ヨーロッパ基本戦略の形成過程―戦後世界秩序の「デザイン」の模索、一九四五~一九四九年(ベヴィンの「グランド・デザイン」とイギリスの対ヨーロッパ政策;マーシャル・プランとウェスタン・ユニオン構想;対ヨーロッパ政策の転換と新たなデザイン―「第三の世界勢力」から「三つの環」へ)
第2部 プランの時代―アトリー政権/チャーチル政権とECSC/EDC構想、一九五〇~一九五四年(アトリー政権と二つの統合プラン―「可能な限り緊密な協力関係」という政策;チャーチル政権とECSC―協力関係の形成を求めて;EDCの挫折とWEUの創設―プランによる統合の「限界」とイギリス外交の成果)
第3部 プラン対プラン―協力関係の限界と対ヨーロッパ政策の再編、一九五五~一九五七年(「ヨーロッパの再発進」―メッシナ共同市場構想の登場とイギリス;共同市場不参加の決定と「対抗提案」の模索;プランG―自由貿易地帯構想の誕生 ほか)
自由貿易地帯構想の挫折と対ヨーロッパ政策変遷過程の意味
著者等紹介
益田実[マスダミノル]
1965年山口県生まれ。1994年京都大学大学院法学研究科博士後期課程中退。法学修士(京都大学)、近代後期イギリス史修士(ロンドン大学ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・アンド・ポリティカル・サイエンス)。現在、三重大学人文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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