内容説明
18世紀中葉から第一次世界大戦期までの平時と戦時における財政・租税政策の立案の際に、内閣・大蔵省・内国歳入庁が演じた役割を微視的に解析するとともに、財政・経済統計が果たした役割と政策形成とを相互に関連付けて実証的に分析する。未公刊公文書や政治家・官僚の個人文書等の資料にあたり、これまでの政策研究で見落とされていた「統計情報」が、いかに英国の財政政策に貢献したかを明らかにした。
目次
序章 イギリス国家財政の政治経済学―平時・戦時における財政政策と統計1750‐1915年
第1章 18世紀イギリスにおける統計と「政治算術」―重商主義期の戦争と戦費調達
第2章 「国民所得」推計と統計の整備―19世紀中葉における『統計概要』・『内国歳入庁年報』の発行
第3章 自由党・統一党政権における財政政策―「経費膨脹」と大蔵省・内国歳入庁1894‐1905年
第4章 リベラル・リフォーム期における財政政策―「経費膨脹」と大蔵省・内国歳入庁1906‐08年
第5章 1909/10年ロイド・ジョージ予算案―イギリス帝国とドイツ帝国、国家財政と地方財政
第6章 第一次世界大戦とイギリスの戦費調達―財政政策と統計の応用
終章 イギリス帝国の財政政策と統計
著者等紹介
藤田哲雄[フジタテツオ]
1948年生まれ。立教大学大学院経済学研究科修了。現在、広島修道大学経済科学部教授。博士(経済学)(立教大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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