内容説明
12年の生活実態調査から、障害者と家族の生活問題が、働く人とその家族、および地域の共通課題であることを見出し、実態に応じた社会福祉、地域福祉づくりに向けた提言を行う。
目次
序章 社会福祉の取り組む課題―労働者・家族の生活問題
第1章 障害者問題とは何か―日本のノーマライゼーションと差別的労働
第2章 障害者・家族の生活問題とは何か―労働者問題の一環として
第3章 政策によってつくられている構造的問題―精神障害者と家族の生活問題
第4章 「障害」とは何か―重複障害者と家族の生活問題
第5章 地域福祉の取り組む課題とは―障害者生活問題の地域性
第6章 地域福祉の対象認識の課題―岡村地域福祉論への一批判
終章 生活問題対策における社会福祉―その位置と役割
著者等紹介
高林秀明[タカバヤシヒデアキ]
1969年静岡県に生まれる。1996年同志社大学大学院文学研究科社会福祉学専攻前期博士課程修了。現在、熊本学園大学社会福祉学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
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障害者自立支援法(現在の障害者総合福祉法)のもとで障害者・家族の生活問題が不安定化しているという問題意識のもとに、孝橋正一や三塚武男の理論に基づいて考察したものです。現在の社会福祉理論(特に地域福祉理論)で支配的な岡村重夫理論に対しても痛烈な批判がなされています。資本主義社会の制度的矛盾から生じるものとして障害者問題を捉えることには異論はありませんが、社会福祉の位置づけについては一面的なところもあり納得はできませんでした。でも調査は丁寧で地域社会のなかで障害者・家族の生活問題を詳しく知ることができました。2018/11/16