性表現規制の限界―「わいせつ」概念とその規制根拠

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  • サイズ A5判/ページ数 352p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784623050956
  • NDC分類 326.22
  • Cコード C3032

出版社内容情報

性表現は法的にどのように正当化され、その規制を構築すべきか。日米法比較により解決への思考方法を示す。

内容説明

本書では、わいせつ表現・性的有害表現・児童ポルノ表現という代表的な性表現規制類型について、日米の判例を中心とした比較法的検討を加える。具体的には以下の点を中心として検討。わいせつ概念をいかに把握すべきか。わいせつ表現を含む性表現規制の根拠を、多数派の性的選好であるシンプルな性モラルに求めるべきか、または功利主義をベースにおく危害に求めるべきか。正当な性表現規制の根拠から性表現をコントロールする理想の法モデルはどのように構築されるべきか。このような性表現規制の難題に対する解決への思考方法を示す。

目次

第1部 わいせつ概念:日米の比較法的検討(アメリカ合衆国におけるわいせつ概念1―わいせつ概念の形成と完成;アメリカ合衆国におけるわいせつ概念2―インターネット上の性表現に対する地域的規準の適用;日本におけるわいせつ概念)
第2部 性モラル規制と功利主義的危害規制(モラルアプローチ;功利主義的危害アプローチ)
第3部 アメリカ合衆国における判例の展開(性モラル規制の許容性―プライベートなソドミー行為規制の合憲性;功利主義的危害規制の許容性1―ゾーニング規制の合憲性;功利主義的危害規制の許容性2―商業施設における全面的性表現禁止規制の合憲性)
第4部 日本における判例の展開(わいせつ表現規制の限界;性的有害表現規制の限界)
第5部 補論:児童ポルノ規制の限界(アメリカ合衆国における児童ポルノ規制;日本における児童ポルノ規制)
性表現規制の展望

著者等紹介

加藤隆之[カトウタカユキ]
1970年千葉県生まれ。1994年中央大学法学部法律学科卒業。2002年中央大学大学院法学研究科公法専攻博士後期課程単位取得満期退学。現在、青森中央学院大学経営法学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ゲオルギオ・ハーン

20
性表現の規制について日米での展開を比較研究した一冊。性表現規制の難しさは一歩誤れば価値観や表現の自由への干渉になるというデリケートな点や性癖やフェチズムの多様さから規制の根拠を「他者が不快に感じるから」だけでは説明しきれない難しさがある。朝井リョウ先生の「正欲」ではないが、特定の人でないと興奮しないのであればいいのだろうか。また、作品上、心象風景の表現などで裸になるシーンでもわいせつ表現だから唐突に服を着せてもいいのだろうか。簡単そうに見えてややこしい問題を整理できてとても勉強になりました。2023/06/16

tooka

3
様々な法体系に立脚した主張による論点の分割や結論の洗練。法律家の理性に対する敬意が生まれる。筆者はわいせつ物は規制しつつも「呼吸できる場所」を残すべきとする。地域的基準による自治権は首肯できるがネットとの兼ね合いが難しい。一方児童ポルノは甚大な人格権の侵害から存在そのものが否定されるべきと単純所持禁止の結論を導くが、どうだろうね。2009/07/28

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