内容説明
清張が面白いのは小説の王道を究めたからだ。漱石、芥川、菊池等の小説技法を継承し、私小説、純文学に敢然と闘いを挑んだ清張文学の豊饒さを示す。
目次
1 本流としての清張文学(ミステリーの自覚―菊池・芥川の地層と清張;本流としての清張文学―漱石から清張へ)
2 清張の闘い(清張と本格派―乱歩封じ込め戦略のてんまつ;「天城越え」は「伊豆の踊子」をどう超えたか;清張と純文学派―対決の構図)
3 清張ミステリーの多彩な実践(迷宮としての「地方紙を買う女」;「氷雨」とその時代―売春防止法前後;小説とノンフィクション;メディアと清張ミステリー)
4 松本清張と水上勉(松本清張と水上勉―水上勉における日本型小説への回帰;水上勉の社会はミステリー―『飢餓海峡』の達成)
著者等紹介
藤井淑禎[フジイヒデタダ]
1950年豊橋市に生まれる。1974年慶應義塾大学文学部卒業。1979年立教大学大学院文学研究科博士課程満期退学。東海学園女子短期大学助教授を経て、立教大学文学部教授、立教大学江戸川乱歩記念大衆文化研究センター長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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