内容説明
中国本土・香港・台湾は、儒教文化を共通基盤とする中華文化圏である。これらの地域は政治・経済・社会体制が異なりながらも、もう一つ「少子化・高齢化」という共通項をもっている。本書は、「少子高齢化」をキーワードにこれら地域―中国本土・香港・台湾―の高齢者福祉政策を考察する。共通する儒教文化―老親扶養の家族文化―と異なる政治・経済・社会体制は、この中華文化圏にどのような高齢者福祉政策を展開させたのか。資料と現地調査からこれら地域の高齢者福祉政策を振り返り、中華文化圏の今後を展望していく。
目次
伝統と社会変動のはざまで
第1部 中国編(社会改革の渦中での高齢者問題;高齢者福祉制度の展開;高齢者介護の社会化と在宅サービスの充実;施設介護福祉の拡充)
第2部 香港編(戦後、香港の高齢者福祉政策の発展;高齢者の福祉住宅サービス;施設介護サービスの需要と供給;香港返還後の高齢者福祉)
第3部 台湾編(政治の民主化と高齢者福祉の進展;「老人福利法」に基づく高齢者福祉の展開;家族介護を前提とする介護サービスの基盤整備;在宅介護重視への政策転換)
著者等紹介
沈潔[シンケツ]
1954年中国生まれ。1995年日本女子大学社会福祉学博士取得。1983年(中国)華中師範大学科社研究所講師、1989年に日本に留学、華中師範大学社会学部助教授、教授、1988年県立高知女子大学教授を経て、浦和大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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