内容説明
本書は、故加藤榮一論文集全2巻のうちの第2巻であり、加藤福祉国家論のいわば実証分析編にあたる。アメリカ、イギリス、ドイツ、スウェーデン、日本の福祉国家財政の比較研究、公企業の民営化を中心としたプライヴァタイゼーション、ドイツを中心とした各国年金制度の改革についての実証的研究を通じて、いま福祉国家システムが経済のグローバル化の圧力によって再編・解体を遂げつつあることを明らかにするとともに、資本主義がいま再び「大転換」の最中にあることを実証的に提示する。
目次
第1部 形成から再編へ(福祉国家財政の国際比較;西ドイツ福祉国家のアポリア―社会給付の「効率化」と年金改革論;福祉国家システムの再編―プライヴァタイゼーションの歴史的意味;公企業の「民営化」;ドイツにおける公企業の民営化―日独比較の視点から)
第2部 再編から解体へ(ドイツ社会保険福祉国家の動揺;ドイツの財政システム―統一の負担とグローバル化の圧力;ドイツ二〇〇一年年金改革の歴史的意味;年金改革の潮流とグローバリゼーション)
著者等紹介
加藤榮一[カトウエイイチ]
1932年9月東京に生まれる。1957年3月東京大学経済学部卒業。1962年3月東京大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学社会科学研究所助手、東北大学教養部講師、同助教授、東京大学社会科学研究所助教授を経て、1978年4月東京大学社会科学研究所教授。1993年3月東京大学停年退官・東京大学名誉教授。信州大学経済学部教授、帝京大学経済学部教授、法政大学現代福祉学部教授を歴任、2003年3月法政大学定年退職。2005年1月7日歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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