出版社内容情報
プラトン初期対話篇を、「フィロソフィア(愛智)」概念を核にして詳細に読み解き、その倫理思想の全体像の再構成を試みる。
プラトン初期対話篇では、主知主義的幸福主義者としてのソクラテスと、正義を重んじる神の使徒としてのソクラテスという、対立的なソクラテス像が描き出されている。それらはどうすれば一つに重なるのか。解決の鍵は「フィロソフィア(愛智)」というソクラテス独自の概念にある。本書は、プラトン初期対話篇の作品群を、この概念を核にして詳細に読み解くことにより、ソクラテスの倫理思想の全体像を整合的に再構成する試みである。
目次
序 統合的なソクラテス像を求めて一 ソクラテスのフィロソフィア――その全体像 1 ソクラテスの正義基底的倫理と共同体 2 『ゴルギアス』における正義と欲望 3 理性と神 4 『エウテュプロン』における敬虔と正義 5 徳・幸福・無知 6 無知の知とフィロソフィア二 批判としてのフィロソフィア 7 ソフィストの倫理思想 ――『プロタゴラス』を読む(1) 8 ソフィストの徳とソクラテスの徳――『プロタゴラス』を読む(2) 9 『ラケス』における勇気と知 10 『カルミデス』における自己知と節度あとがき初出一覧文献表人名・事項索引/出典索引
内容説明
プラトン初期対話篇では、主知主義的幸福主義者としてのソクラテスと、正義を重んじる神の使徒としてのソクラテスという、対立的なソクラテス像が描き出されている。それらはどうすれば一つに重なるのか。解決の鍵は「フィロソフィア(愛智)」というソクラテス独自の概念にある。本書は、プラトン初期対話篇の作品群を、この概念を核にして詳細に読み解くことにより、ソクラテスの倫理思想の全体像を整合的に再構成する試みである。
目次
統合的なソクラテス像を求めて
第1部 ソクラテスのフィロソフィア―その全体像(ソクラテスの正義基底的倫理と共同体;『ゴルギアス』における正義と欲望;理性と神;『エウテュプロン』における敬虔と正義;徳・幸福・無知;無知の知とフィロソフィア)
第2部 批判としてのフィロソフィア(ソフィストの倫理思想―『プロタゴラス』を読む(1)
ソフィストの徳とソクラテスの徳―『プロタゴラス』を読む(2)
『ラケス』における勇気と知
『カルミデス』における自己知と節度)
著者等紹介
中澤務[ナカザワツトム]
1965年埼玉県に生まれる。1988年北海道大学文学部哲学科卒業。同大学院文学研究科博士課程中退。北海道大学助手を経て、関西大学助教授、博士(文学)。専攻は西洋古代哲学、倫理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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