内容説明
9.11同時多発テロ以降、アメリカでは経済・環境両面で時計の針を逆戻しするような展開が目立つ。国民の大多数を占める中産階級の職、所得、生活環境が危機に瀕する一方で、豊かなアメリカ国民の消費により世界経済を支えるという構図が続いている。本書の目的は、21世紀のアメリカ経済・社会・環境・テクノロジーの諸課題を、歴史という縦軸と国際比較という横軸の交点から照射し、現状に対する深い洞察と問題解決の糸口を探ることである。
目次
アメリカ経済の可能性
第1部 歴史的観点から(豊かさの追求と消費主義;ウォールデン地史から土地倫理と環境正義の文学まで―カウンター・ナラティヴの水脈)
第2部 地球環境の悪化と遅れる環境政策(地球温暖化と崩れゆくアメリカの環境政策;NAFTAと環境政策のゆくえ;アメリカ先住民と環境保護―植民地主義の歴史と社会主義;環境保護運動の現局面―主流派環境運動の停滞と環境正義運動の台頭)
第3部 グローバル化とIT革命のもとでの変容(共和党優位期の到来と連邦財政;ニュー・エコノミーと中産階級社会の変貌;金融グローバリゼーションの前と後―アメリカの銀行はどう変わったか?;アメリカの地域間不均衡と交通政策)
第4部 新たな方法論の試み(環境経営史によるアスベスト問題再考―「作られた環境」の中の労働災害;福祉国家の後退と移民女性の労働―福祉改革とケア労働のグローバル化を中心に)
豊かさと環境の関係史
著者等紹介
秋元英一[アキモトエイイチ]
1943年東京都生まれ。1972年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。千葉大学法経学部教授
小塩和人[オシオカズト]
1958年東京都生まれ。1992年カリフォルニア大学サンタバーバラ校大学院歴史学研究科博士課程修了(Ph.D.)。日本女子大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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