内容説明
中つ国の運命を握る指輪をめぐって始まった自由の民と闇の勢力の戦いを面白エピソードも交えながら紹介。映画にもなったファンタジー作品の不思議な世界を味わえる一冊。
目次
1 トールキン世界への道(J.R.R.トールキン;指輪の王と蠅の王―『指輪物語』とその時代;トールキンの言葉―文献学史的に読むトールキン作品)
2 『指輪物語』と象徴的表現(『指輪物語』と根元的な悪;トールキンの洞窟表象―水の洞窟と火の洞窟;庭師サムのグランド・ツアー)
3 『指輪物語』を今どう読むか(大シャーマンの旅の跡;リングワールドふたたび―『指輪物語』、あるいはフェミニスト・ファンタジーの起源;読んで快適な『指輪物語』は政治経済SFである)
4 『指輪物語』と新しい文化(ふたつの読みをつなぐもの―『指輪物語』とサブカルチャー;『ロード・オブ・ザ・リング』―神話映画の成立と三人の男たち)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Akito Yoshiue
8
充実した論考集。2018/09/23
くり坊
3
本書の「はじめに」という箇所に、こうある。「本書が目指したのは、トールキンに関する基本的な情報を提供しつつ、『指輪物語』の新しい読み方を追求することである。英米のファンタジー、特に『指輪物語』に造詣の深い研究者・評論家諸氏のご協力を得て、多彩な視点から書かれた論考を掲載できたことを嬉しく思う。」本書の目次に目をやると、11人の執筆者による、その名のとおり「論考」がひしめき合っている。私個人としては巻末にある「トールキン関連年表」が資料的に助かる。論考は私にとって興味の埒外なので本書の価値は高くはない。2025/05/23
書記長と化したオタンコナス
3
かの指輪物語を様々な視点から見つめた著作。トールキンの描きたかった世界や善・悪の対立、指輪物語が後に与えた影響など、多岐にわたる分析がなされていて非常に面白い作品だった。私としては善・悪の対立の中での帝王サウロンの立ち位置についての解釈が一番面白かった。2013/10/02
timeturner
1
政治経済的な視点からの読みと、前近代的文学としてとらえる読みの二編が興味深い。2012/02/24
ニョンブーチョッパー
0
◎2008/03/06