出版社内容情報
現代に巣食う脱現実という社会病理に迫る。
内容説明
いまここでの現実からさまざまな形で逃避する人たち。本書では、現実社会からの逃避、脱現実を現実世界と体験世界の文脈から捉え直し、その方向性を「仮想現実」と「現実への焦点化」という連続体で表現する。この“ほどよい現実”からの逸脱状況を縦糸に、そして、今、現代人の心の姿を紐解く鍵として注目されている自己愛を「自己愛不全」から「過剰な自己愛」までを彷徨う病理として横糸で結びながら、現代に巣食う脱現実という社会病理現象を気鋭の精神科医が紡いでいく。
目次
第1部 脱現実(現実と脱現実―ほどよさの世界;ひきこもり―狭められた現実;自殺―現実からの消滅 ほか)
第2部 自己愛症候群(自己愛、そして自己愛;虐待者―顕在的自己愛;ひきこもりの自己愛―密やかな自己愛 ほか)
第3部 自己愛と脱現実、そしてセラピー(自己愛者の脱現実―自己愛者はいかに現実を構築するのか;解決に向けて―脱現実化した自己愛者へのセラピー;それぞれのセラピー―各セラピーの要諦)
著者等紹介
忠井俊明[タダイトシアキ]
京都府立医科大学卒業。医学博士。京都府立医科大学精神医学教室助手、京都教育大学教授を経て、立命館大学文学部人文学科・同大学院応用人間科学研究科教授。専門分野は臨床精神医学、臨床心理学、精神生理学
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感想・レビュー
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ハシ
0
正直言って難しくてほとんど理解できませんでした。内容は引きこもり、自殺、様々な依存症、過食・拒食症について脱現実という括りの中でどのような心の状態になっているのかと、自己愛というのがどのように作用をしているのか、そしてそれぞれのセラピーの方法が書いてあります。実際にカウンセリングに来た人との会話が書かれていてそれを用いて説明する箇所がありそこは分かりやすかったです。ただ、あとがきに著書がイタリアで書いているとかゲーテについての考え方とか今回の内容とあまり関係ない事を書いているので苦笑いしながら本を閉じまし2012/08/29
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