出版社内容情報
諸制度・福祉対象の生活像の展開から接近。
内容説明
日本の福祉社会を歴史的に振り返ることで、これまでの発達史の文脈を相対化し、東アジアを含む国際比較可能な枠組みを提示する。そのために、雇われて働く生活との関係という観点を組み込みながら、福祉社会の諸制度および福祉対象の生活像の展開、という二つの視角から接近する。
目次
福祉社会と雇用社会
第1部 福祉社会の諸制度(近代日本医療史における開業医の意義―病院の世紀の論理による医療史再構成に向けて;方面委員制度の存立根拠―日本型奉仕の特質;「年金レジーム」の日本的展開―構造的特質の検証を通じて ほか)
第2部 福祉社会の生活像(福祉=社会空間の誕生―“社会”を防衛する予防的実践の生成;「保護される子ども」の近代―「捨子」からみた近代社会の展開;老いの変容―社会的イメージにみる日本近代 ほか)
第3部 事業と政策の展開(戦後社会福祉政策とNPO政策―鼎立するNPO政策と社会福祉の多元化;出産の施設化と母子保健事業―高度経済成長期の転換)
生涯像の主題化と福祉社会
著者等紹介
佐口和郎[サグチカズロウ]
1955年生まれ。1984年東京大学大学院経済学研究科第二種博士課程修了。博士(経済学)。東京大学大学院経済学研究科教授(雇用システム論、社会政策)
中川清[ナカガワキヨシ]
1947年生まれ。1978年慶応義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士、博士(社会学)。同志社大学政策学部教授(生活構造論、社会政策)
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