内容説明
私たちの生活のなかで、芸術、文化、スポーツ、観光など、文化的活動の役割はますます重要になりつつある。これら文化的活動の特徴を明らかにし、これからの社会にふさわしい「人間生活の改良の道具」をめざすのが文化経済学である。本書では、文化的価値や文化資本の概念など、文化経済学のもつ、経済学の他の分野にはない特徴を明らかにしながら、文化の経済的側面にみられる様々な性質を解説する。そして、それらの成果をベースにして、現実世界の多様な文化現象に分析のメスを入れ、文化にかかわる公共政策の必要性を提起するとともに、文化経済学の進むべき道を展望する。
目次
文化経済学とは何か―なぜ今、文化経済学が求められるのか
第1部 文化経済学の理論(芸術作品の価格とオークション―絵画の価格はどのようにして決まるのか;芸術文化と市場―価格メカニズムのはたらきとその限界;価格のもつ意味と文化の価値―経済的価値と文化的価値は区別できるか;芸術文化の消費―嗜好の「文化」化は可能か? ほか)
第2部 文化経済学の現実(ボランタリー経済としてのtotoの再生―慈善活動のためのギャンブル;岐路に立つ温泉観光―競争と協働の2つのネットワーク;埋蔵文化財の文化経済学―市場介入としての原因者負担原則;ブレイクするJ‐POP―カリスマ型アーティストの文化資本 ほか)
文化経済学の夢と悩み―芸術文化にあふれる社会は実現可能か
著者等紹介
金武創[カネタケハジメ]
1967年岐阜県各務原市に生まれる。1989年筑波大学第二学群人間学類卒業。社団法人地域問題研究所調査研究部研究員(1993年まで)。1998年京都大学大学院経済学研究科経済政策学専攻博士後期課程学修認定。京都大学博士(経済学)の学位取得。京都橘大学文化政策学部助教授
阪本崇[サカモトタカシ]
1971年奈良県吉野郡大淀町に生まれる。1994年京都大学経済学部経済学科卒業。1999年京都大学大学院経済学研究科経済政策学専攻博士後期課程学修認定。京都大学博士(経済学)の学位取得。京都橘大学文化政策学部助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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