内容説明
英米の家族と日本の家族は一見よく似ている。しかし、いくつかの点で異なる。なぜそうなのか。本書はこの疑問にイギリス近世に固有な家族が存在したことから答えようとするものである。本書で示されることになるイギリス近世家族の特徴は、奉公人に対する閉鎖性と家族の賃銀収入という2点である。しかも、その近世家族の形成過程において、家族を取り巻く地域社会における人口転換や階層分化が関連していたことも明らかにされることになる。
目次
現代とイギリス近世の家族
第1部 英米における論争史(イギリス家族史研究の誕生―二つの社会的背景;世帯経済とレスター学派―1970年代まで;ファミリー・エコノミー論と家族の近代化論―1980年代;政治社会史とロンドン学派―1990年代から;家族史の「囲い込み」―論争の枠組み)
第2部 サウサンプトン地域史(近世サウサンプトン市の変貌―家族の社会的文脈;近世家族の特徴―世帯と家族の区別;閉鎖性の形成―奉公人の分離;賃銀世帯の形成―労働の分離;家族の誕生―その研究史的含意;世帯を取り巻く親族関係―親方選択の変化)
著者等紹介
米山秀[ヨネヤママサル]
1951年山梨県甲府市生まれ。1975年慶應義塾大学経済学部卒業。1982年慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了。東京都立商科短期大学助教授などを経て、首都大学東京教授。経済学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- 分別と多感(英文)