出版社内容情報
経済史学の巨匠の重要論文集。
内容説明
著者の提唱した「後進性の優位」仮説は、ガーシェンクロン・テーゼとして、単に一経済史分野のみならず、社会科学全般に甚大な影響を与え続けてきた。本書は、この経済史の巨匠の全貌と神髄をしめす重要論考10編を収載する。
目次
第1部 歴史的視野から見た経済的後進性(歴史的視野から見た経済的後進性;近代工業化の『先行条件』という概念についての省察;社会的態度、企業家精神と経済発展 ほか)
第2部 歴史における連続性(歴史における連続性の概念について;経済史における若干の方法論的問題;方法論的、歴史的問題としてのイデオロギーに関する省察 ほか)
第3部 ソヴィエト・ロシア論(ソヴィエト・ロシアにおける工業企業;独裁制の安定性)
著者等紹介
絵所秀紀[エショヒデキ]
1947年生まれ。1975年法政大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得満期退学(経済学博士)。法政大学経済学部教授
雨宮昭彦[アメミヤアキヒコ]
1953年生まれ。1988年東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程修了。博士(経済学)。千葉大学法経学部教授
峯陽一[ミネヨウイチ]
1961年生まれ。1993年京都大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。中部大学国際関係学部教授
鈴木義一[スズキヨシカズ]
1961年生まれ。1994年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。東京外国語大学外国語学部助教授
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感想・レビュー
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ふにゃ
1
著者の専門は経済史。なかなか手ごわい本。後発性・連続性・ロシアの歴史の3部構成。第3部を読む余裕がなかったが、ここが面白そうでもある。/一般抽象論か個別具体論になりがちな歴史研究において、中範囲理論を生み出そうとしている。方法論としても参考になる部分があった。/後発工業国は、先発工業国とは異なる先行条件を持っている。その条件とは、銀行や国家の強制力である。この作業は、後発工業国の先行条件を探ることになる。さらには、この作業を通して、先発工業国の先行条件についての理論の妥当性を検討することができるのだ。2013/08/01