内容説明
国王は戦時に海港から民有船を徴用して王有船との二元的艦隊を編成した。しかし軍事技術の高度化は一元的国家的海軍の建設を強いた。チャールズ一世はそのための資金として船舶税を課したが、船舶税は旧い船舶徴用の転化したもので、議会の承認を必要とする通常の税ではないとされた。しかし賦課の金納化・全国化・反復化は、船舶税が船舶徴用とは異質のまぎれもない税であることを明らかにした。この矛盾は国民的・重商主義的課題を担う海軍が国王大権による賦課金で支えられるという矛盾でもあった。課題と担い手のこの矛盾は長期議会によって解かれていく。
目次
第1部 州社会における船舶税とシェリフ(チェシャーにおける船舶税とシェリフ;ハンプシャーにおける船舶税とシェリフ;サマセットシャーにおける船舶税とシェリフ;サフォークシャーにおける船舶税とシェリフ ほか)
第2部 船舶税の前史・目的・合法性(船舶徴用から船舶税へ;海上主権論と船舶税艦隊;一六二六年と一六二八年の船舶税;船舶税裁判 ほか)
著者等紹介
酒井重喜[サカイシゲキ]
1949年兵庫県に生まれる。1971年京都大学経済学部卒業。1976年京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。1991年経済学博士。熊本学園大学経済学部教授
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