出版社内容情報
美事・松方財政政策を多面的に再考する。
内容説明
松方は、インフレを収束させ、産業不振を解消し、近代的財政金融制度整備を果たす。日本経済発展の礎を築くという歴史的快挙を、経済調整コストを軽微に止めつつ、短期間で成し遂げた。不退転の政策行動が人々のインフレ期待を変更させ、財政・金融・外需にわたる「意図せざる」マクロ経済安定効果が作用したことが、この「成功」をもたらした原因であった。信頼性の確立した一次史料と現在利用可能な最善のマクロデータを用いて、今まで語られなかった松方財政の「真の姿」を活写する。
目次
序章 松方財政の探究
第1章 経済危機と政策課題の浮上
第2章 大隈財政の時代
第3章 松方の財政経済政策
第4章 日本経済の動態と政策効果
終章 松方財政の実相
著者等紹介
室山義正[ムロヤマヨシマサ]
1949年生まれ。1983年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了、経済学博士。拓殖大学政経学部講師、助教授、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)客員研究員(1988‐90年)、九州大学経済学部教授を経て現在、九州大学大学院経済学研究院教授。専門分野は財政、安全保障、日本および米国の財政経済分析
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