北一輝自筆修正版 国体論及び純正社会主義

北 一輝【著】/長谷川 雄一/スピルマン，クリストファー・Ｗ．Ａ．〈Ｓｚｐｉｌｍａｎ，Ｃｈｒｉｓｔｏｐｈｅｒ Ｗ．Ａ．〉/萩原 稔【編】

ミネルヴァ書房（2007/12発売）

• サイズ A5判／ページ数 516p／高さ 22cm
• 商品コード 9784623040872
• NDC分類 309.5
• Cコード C3031

内容説明

北一輝が再版を期した幻の『国体論』。初版刊行から１５年。新たな経験と知識を蓄積した北一輝は、再びその成長した思想を世に問うべく処女作の一字一句を修正しつつあった。初版とその修正指示を的確に併記し、北の思想の変転を実証的に窺い知ることのできる貴重な資料。初版の全文と修正指示を併記。

目次

第１編　社会主義の経済的正義
第２編　社会主義の倫理的理想
第３編　生物進化論と社会哲学
第４編　所謂国体論の復古的革命主義
第５編　社会主義の啓蒙運動

著者等紹介

北一輝［キタイッキ］
１８８３年４月３日新潟県佐渡生まれ。本名輝次のち輝次郎。１９１１年中国革命への参加。１９２０年猶存社（１９２３年解散）に参加。１９３６年２月二・二六事件により逮捕。１９３７年８月１９日刑死

長谷川雄一［ハセガワユウイチ］
１９４８年宮城県仙台市生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。現在、東北福祉大学総合福祉学部産業福祉学科教授。日本外交史、国際関係論専攻

スピルマン，クリストファー・Ｗ．Ａ．［スピルマン，クリストファーＷ．Ａ．］［Ｓｚｐｉｌｍａｎ，Ｃｈｒｉｓｔｏｐｈｅｒ　Ｗ．Ａ．］
１９５１年ポーランド生まれ。エール大学大学院歴史学研究科博士課程修了。歴史学博士（Ｐｈ．Ｄ．）。現在、九州産業大学国際文化学部教授。日本近現代政治思想史専攻

萩原稔［ハギハラミノル］
１９７４年兵庫県神戸市生まれ。同志社大学法学研究科政治学専攻博士課程修了。現在、同志社大学嘱託講師、大阪成蹊大学・阪南大学非常勤講師。日本政治思想史専攻（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[てれまこし]

なるほど、ホームラン性の大ファウル。明治維新を民主革命、明治憲法を社会主義的憲法に読みかえる。国体論をその非歴史性のゆえに徹底的に解体する。そこがホームランだが、これが右翼テロリズムと結びついたのは、国家社会を一つの有機的生命体としてしまったところ。ある意味、国体論以上の国家主義を生んだ。それで個人は国家の一部に過ぎなくなり、また階級闘争よりも国家間闘争の方が前面に出てしまった。また、道徳を歴史化、相対化するはずが、「社会進化」が絶対的価値にされてしまった。唯物史観と同様、疑似科学が政治にとって代わった。

2018/12/02