出版社内容情報
文学シーンは女性作家の時代、なぜだ?
内容説明
日本の文学シーンはいま女性作家の活躍なくして成立しない。男性作家たちはテーマを見失った。人生のマグマは、私はなぜか女性であるらしいというザラついた異物感の内に溢れ出てくる。誰にとって異性なのか、私は。
目次
1 異性の荘厳―序にかえて
2 家族の夢―津島佑子、その八十年代
3 性のニヒリズム―富岡多恵子、詩から闇へ
4 夫婦の現象学―山本道子、樹の悲鳴
5 幸福のアナキズム―大庭みな子1、女三代の履歴書
6 幻想と美と男―大庭みな子2、漂流・渋面・ヒューモア
7 小説の不倫―中沢けい、その文体あるいは風の行方
8 開かれた密室―増田みず子、『禁止空間』あるいは緑色の血
9 不思議な歓び―河野多恵子、愛死と嗜虐
10 甘噛みのユートピア―川上弘美、ジェンダーの異界
11 桃源郷―村田喜代子、卵・泉・超ダダ
著者等紹介
千石英世[センゴクヒデヨ]
1949年生まれ。現在、立教大学教授。文芸評論家。1983年「ファルスの複層―小島信夫論―」で第26回群像新人賞(評論部門)受賞
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