内容説明
1978年の改革開放以来、急成長を遂げる中国は、東アジア経済はもとより、世界経済のなかでも重要な役割を担う存在となっている。好むと好まざるとにかかわらず、いまや中国を抜きにして世界経済のゆくえを語ることはできない。ところが、12億人を超える人口を擁し、発展段階の異なる多数の地域からなる中国を丸ごと理解することはとても難しい。中国の全体イメージができあがって初めて、その一部も理解できるようになるからである。本書は、「現代のなかの歴史」、「多様性のなかの発展」、「世界のなかの中国」をキーワードとして、中国経済の実情を複眼的視点から分析する。中国を丸ごと理解することは容易ではないが、多くの情報があふれる今日こそ、複眼で中国を見る重要性がますます高まっている。
目次
中国経済への招待
第1部 現代のなかの歴史(20世紀の中国経済―発展と変化の道程;中国社会主義再考;経済発展と市場移行―改革開放の20年)
第2部 多様性のなかの発展(変貌する農民国家―農業・農村・農民問題;企業体制の転換、進化および収斂;工業化の空間的側面 ほか)
第3部 世界のなかの中国(貿易大国の実像―貿易と直接投資;グローバル化のなかの中国企業;香港・台湾と中国―チャンスか?トラップか? ほか)
中国経済の行方
著者等紹介
加藤弘之[カトウヒロユキ]
1955年愛知県に生まれる。1981年神戸大学大学院経済学研究科博士課程前期課程終了。現在、神戸大学大学院経済学研究科教授、博士(経済学)
上原一慶[ウエハラカズヨシ]
1943年東京都に生まれる。1975年東京大学社会学系大学院博士課程単位取得退学。現在、京都大学経済研究所教授、京都大学経済学博士
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