出版社内容情報
家族との数々の別れ、鎌倉を見つめ続けた70年。
内容説明
「女房の目出たき例」と評された北条政子。政子の残した「遺産」とは何であったのか。中世が育んだ一人の傑出した女性の生涯を通し、「鎌倉の時代」を創った諸勢力による源平争乱から承久の乱までの攻防に迫る。
目次
序章 伝説を読む―歴史のなかの「政子」たち
第1 大姫の章―建久八年秋
第2 頼朝の章―建久十年春
第3 頼家の章―元久元年夏
第4 実朝の章―建保七年春
第5 義時の章―貞応三年夏
第6 政子の章―嘉禄元年夏
終章 伝説を歩く―史跡からの証言
著者等紹介
関幸彦[セキユキヒコ]
1952年生まれ。1975年学習院大学卒業。1985年学習院大学大学院人文科学研究科史学専攻博士課程修了。学習院大学助手、文部省を経て、現在、鶴見大学文学部文化財学科教授(日本中世史専攻)
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感想・レビュー
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ほうすう
15
非常に読みやすく、またミネルヴァの評伝選にしては珍しく構成や章の立て方が文学的というか情緒があるような感覚を受ける。それでいて史料にのっとり歴史学の矩をこえていない稀有な本。惜しむらくは今読むとちょっと古いかなあというところ。旧来知られている北条政子像を知るには良い本。2023/01/31
kenitirokikuti
13
図書館にて。ミネルヴァ日本評伝選の刊行のことばが2003.9で、本書の刊行は2004.3と最初期のもの。翌年2005年に源義経があり、下って令和になってから源頼朝、北条時政、北条義時が刊行。北条時宗はまだの様子▲鎌倉幕府成立期は子供向け日本史でも触れられるので、簡単そうに錯覚してしまうが、全くそうではない。かつてはこの時期の事柄は文芸の分野で扱われることが多かったが、最近はたまにNHK大河になるくらいか。逍遥の戯曲『牧ノ方』『義時の最後』、綺堂『修禅寺物語』。あとは和歌か。2023/11/15
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- 和書
- さざなみのよる 河出文庫