Minerva歴史叢書クロニカ
帰依する世紀末―ドイツ近代の原理主義者群像

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  • サイズ B6判/ページ数 319,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784623039531
  • NDC分類 309.023
  • Cコード C3322

出版社内容情報

西洋近代の歴史像に問題提起する意欲作。

内容説明

今日のグローバル化はわれわれの生活世界を大きく変えつつある。同じように、近代化は100年前、西洋社会に大きな変動をもたらした。これに対して、人々は社会的・文化的にいかなる応答をしたのか。本書は、帝政ドイツを例にそれに大胆に答えたものである。本書は、原理主義という概念を使って、反ユダヤ主義など急進民族主義と、菜食主義・自然療法・ヌーディズムなどの生改革運動を一括して把握しようとする。通例、対極的に捉えられがちなこの二つの思想・運動の同根性を剔抉しつつ、これを世俗化の空隙の中で生じた一種の宗教的復興現象と捉えるよう提唱している。現代の環境保護思想までも視野にいれつつ、西洋近代の歴史像に大胆な問題提起をする画期的な研究である。

目次

序章 楽観と悲観のはざまで
第1章 宴のあと―自由主義への幻滅
第2章 社会観としての反ユダヤ主義
第3章 反ユダヤ主義から民族至上主義へ
第4章 民族の憂鬱と田園の愉悦
第5章 禁欲による救済
第6章 超合理への拝跪
終章 近代化のなかの新宗教

著者等紹介

竹中亨[タケナカトオル]
1978年京都大学文学部卒業。1983年京都大学大学院文学研究科博士後期課程退学。現在、大阪大学大学院文学研究科教授。博士(文学)
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感想・レビュー

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さえきかずひこ

14
ドイツの生改革運動と民族至上主義を、原理主義という観点からとらえ直し、かの国が近代化する過程の思想動向を照らしだす一冊。前半では長期的不況と人種主義を扇動する書物の蔓延が活写され、現代日本にも通じる部分がある。本書を通読して分かるのは、ナチズムに至る民族至上主義的な考え方は19世紀末にすでに出揃っていた点なので、ナチに関心のある方も興味深く読めるだろう。前近代的なユダヤ人への偏見が、政治的イデオロギーに変わるなかで、ユダヤ概念の記号化が起こり「悪徳一般の形容詞に化し」(P.88)たと指摘しているのも重要。2019/12/17

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