内容説明
1990年代中頃に「ゴールドハーゲン論争」を巻き起こし、ドイツ歴史学界の激しい批判を浴びつつも、ベストセラーとなったホロコーストに関する問題書の全訳。第二次世界大戦中、ナチス・ドイツは「アウシュヴィッツ絶滅収容所」に象徴されるように、ヨーロッパ・ユダヤ人の絶滅をめざして、組織的に差別・迫害・殺害の限りを尽くした。本書では、ユダヤ人大量虐殺の現場、これを遂行した「普通のドイツ人」の動機や心情など、学術的史書では後景に隠されがちな情景が、重苦しいばかりの記述となって再現されている。本書を「逸脱の書」と評するか、「告発の書」はたまた「警醒の書」と見るか、いまなお論議は終わっていない。
目次
ホロコーストに関する中心的観点の再考
第1部 ドイツの反ユダヤ主義を考える―抹殺主義者の思考
第2部 抹殺論者の計画と組織
第3部 警察大隊―自発的殺人者であった普通のドイツ人
第4部 絶滅政策としてのドイツ人「労働」
第5部 死の行進―最後の日々
第6部 抹殺的反ユダヤ主義、普通のドイツ人、自発的な死刑執行人
著者等紹介
ゴールドハーゲン,ダニエル・ジョナ[ゴールドハーゲン,ダニエルジョナ][Goldhagen,Daniel Jonah]
1959年生まれ。ハーヴァード大学のヨーロッパ研究センターに勤務する政治学・社会研究の助教授である。博士論文『普通のドイツ人とホロコースト』は、比較政治学の分野における最良の研究として、アメリカ政治学会における1994年度「ガブリエル・A・アーモンド賞」を授与された。また、同書によって彼は、1997年『ドイツ政治と国際政治』誌の「民主主義賞」を授与された
望田幸男[モチダユキオ]
1931年甲府市に生まれる。1958年京都大学文学部史学科卒業。1963年京都大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、同志社大学名誉教授、文学博士
北村浩[キタムラヒロシ]
1965年東京都に生まれる。1998年慶應義塾大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、財団法人政治経済研究所主任研究員
土井浩[ドイヒロシ]
1961年山口県に生まれる。1986年同志社大学大学院文学研究科文化史学専攻博士前期課程修了。現在、山口県立下関中等教育学校教諭
高橋博子[タカハシヒロコ]
1969年兵庫県に生まれる。2003年同志社大学大学院文学研究科博士後期課程修了。現在、広島市立大学広島平和研究所助教。博士(文化史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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