出版社内容情報
【内容】
なにゆえ中立政策をとったのか――
フランスが採択した対スペイン不干渉政策の決定過程を、中枢の動向から解明し、
政治・社会集団の意見もふまえて、反共平和という宥和現象の誕生を跡づける。
【目次】
序 ブルム内閣とスペイン内戦
I 不干渉政策の決定過程
1 政策決定の機関
2 政策決定の過程
3 不干渉の起源と背景
II 不干渉とフランス世論
4 歴史のなかの世論
5 左翼政治集団の意見の形状
6 右翼政治集団の意見の形状
7 社会集団の意見の形状
終 外交における理想と現実
あとがき
人名索引
内容説明
ピカソの「ゲルニカ」やロバート・キャパの写真で有名なスペイン内戦。この内戦に勝利したのは、ヒトラーとムッソリーニに支援されたフランコ派であった。独伊の介入がフランコの勝因であるのに対して、共和派の敗因として槍玉に挙げられたのが不干渉政策である。その不干渉を提議したのは、フランス人民戦線内閣であった。ファシズムと反ファシズムが激突したスペイン内戦に対して、時のフランス左翼政府はなにゆえに不干渉を決議し、結果的にスペイン左翼を「見殺し」にしたのだろうか。本書では、不干渉政策の起源と背景を政策決定中枢の動向から解明し、ついで不干渉政策に対する政治・社会集団の意見を検討することで、反共平和という宥和現象のコアが誕生したことを明らかにする。
目次
ブルム内閣とスペイン内戦
第1部 不干渉政策の決定過程(政策決定の機関;政策決定の過程;不干渉の起源と背景)
第2部 不干渉とフランス世論(歴史のなかの世論;左翼政治集団の意見の形状;右翼政治集団の意見の形状;社会集団の意見の形状)
外交における理想と現実
著者等紹介
渡辺和行[ワタナベカズユキ]
1952年岐阜県生まれ。1978年京都大学法学部卒業。1983年京都大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、奈良女子大学文学部教授
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