出版社内容情報
【内容】
スミス経済学を経済社会学として捉え、「道徳感情の腐敗」の真意を詳細に考察。
通説である「経済学の生誕派」「シヴィック・ヒューマニズム」への批判として、スミスの方法論、スミス経済学の制度論的把握、道徳感情の腐敗の3点を主題として詳細な論証を行い、スミス道徳哲学=政治経済学の現代的意義を丹念に検証。スミスの思想を現代の企業倫理に甦らせている。
【目次】
はじめに
凡 例
1 スミス経済学と制度
2 アダム・スミスの方法
――行為の適宜性と社会科学的論説
3 スミスの社会的行為論――行為とシステム
4 『国民の富』研究――資本蓄積と自然法学
5 スミスの道徳感情腐敗論
あとがき
参考文献
人名事項索引
内容説明
本書は、スミスの政治経済学の理解において主流をなしている、シュンペーターによる新古典派経済学的理解の不十分さをただし、また、最近のスミス解釈の新たな理解であるシヴィック・ヒューマニズム論的理解の誤りを指摘することにより、スミスの経済学、あるいは、経済学を中核とする道徳哲学体系を経済社会学として提示する。スミスの方法論、スミス経済学の制度論的把握、道徳感情の腐敗の3点を主題に詳細な論証を行い、スミス道徳哲学=政治経済学の現代的意義を丹念に検証する。
目次
第1章 スミス経済学と制度(スミスの制度主義経済学;スミス道徳哲学体系における政治経済学の占める位置について ほか)
第2章 アダム・スミスの方法―行為の適宜性と社会科学的論説(『修辞学・文学講義』の方法的性格について;『修辞学・文学講義』の講成とその内的論理 ほか)
第3章 スミスの社会的行為論―行為とシステム(スミスの社会的行為論;『道徳感情論』分析 ほか)
第4章 『諸国民の富』研究―資本蓄積と自然法学(「文明社会」とスミス経済学;『諸国民の富』の基本的問いとは何か? ほか)
第5章 スミスの道徳感情腐敗論―事物の自然的運行と人類の自然的諸感情(スミスにおける経済と倫理―「アダム・スミス問題」;『感情論』における道徳感情を腐敗させる諸要因 ほか)
著者等紹介
田島慶吾[タジマケイゴ]
1957年生まれ。1991年一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。静岡大学人文学部経済学科助教授を経て。現在、静岡大学人文学部経済学科教授
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