出版社内容情報
【内容】
先住民文学発展の軌跡をたどる――
ネイティヴ・アメリカンとしての主体獲得の歴史と文化的多様性を味わう
ネイティヴ・アメリカンは長らく文字をもたず、その部族の歴史や民話などは口承によって伝えられてきたが、1960年代後半を境に、自らの声を英語によって表現する「描く主体」としての視点を獲得していくようになる。ヨーロッパによる侵略以降続いた異文化接触のもたらした文化から生まれた独自の感性を想像の源泉としながら、力強く発展してきた先住民文化の変容を味わう。
【目次】
まえがき
第一部 現代ネイティヴ・アメリカン文学の背景
1 アメリカ先住民
2 補囚という名の《異文化理解》
3 先住民文化再生への視座
第二部 先駆者の文学
4 北米インディアン口承文学の伝統と『ブラックエルクは語る』
5 インディアン……そしてアメリカ人
6 草が生い茂り、川が流れる限り
第3部 現代のストーリーテラーたち
7 『言葉でできた人』の意味するもの
8 ヴィゼナーのトリックスター小説
9 風景の言葉
10 共生への誘い
11 アメリカ先住民の身体と物語
12 チカーノ・アパッチの肖像
13 典型から原型へ
14 極限で見る夢:リザベーションからの視線
関連文献リスト/関連年表/索引
内容説明
ネイティヴ・アメリカンは長らく文字をもたず、その部族の歴史や民話などは口承によって伝えられてきたが、1960年代後半を境に、自らの声を英語によって表現する「描く主体」としての視点を獲得していくようになる。本書は、ヨーロッパによる侵略以降続いた異文化接触のもたらした文化から生まれた独自の感性を想像の源泉としながら、力強く発展してきた先住民文化の変容を味わうものである。
目次
第1部 現代ネイティヴ・アメリカン文学の背景(アメリカ先住民―対白人関係史の諸相;捕囚という名の“異文化理解”―インディアン捕囚物語の意味するもの;先住民文化再生への視座―自立と尊厳の回復に向かって)
第2部 先駆者の文学(北米インディアン口承文学の伝統と『ブラックエルクは語る』―不断に変容する伝統;インディアン…そしてアメリカ人―チャールズ・イーストマンの『深い森から文明へ』における民族、同化、バランス;草が生い茂り、川が流れる限り―ダーシィ・マクニクルの『敵の空より吹く風』を読む)
第3部 現代のストーリーテラーたち(『言葉でできた人』の意味するもの―作品を通してみるN.スコット・ママデイの言語観;ヴィゼナーのトリックスター小説―収奪されなかった極めつけに先住民らしいもの;風景の言葉―サイモン・オティーズの新しい詩について ほか)
著者等紹介
西村頼男[ニシムラヨリオ]
1940年生まれ。阪南大学国際コミュニケーション学部教授
喜納育江[キナイクエ]
1967年生まれ。琉球大学法文学部助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。